…クリスティーヌちゃんのその後が気になっています。

エリック亡き後、彼女はいったいどうしたのでしょう。

ママは、彼女の幼い頃に病死していたはずだし、
音楽を愛する楽しさを教えてくれた最愛のパパも、今はもぅいないし。
確か、彼女には、親戚や身内もいなかったわよね。

(>元となる原作が違うから、そーゆー設定じゃないのかもしれないけれど)

彼女は、その後、いったいどうやって生きていったのでしょう?

とーぜん、今回の舞台となったオペラ座にはいられないはずです。
現支配人ジャン=クロードの妻=カルロッタが殺された訳ですし、エリック&クリスティーヌ最大の理解人であった、元支配人キャリエールも、本人の望みとはいえ、ヒトを殺めた(←とゆー表現には納得できないが)罪で、牢獄へ送られたでしょうし、皆の目の前で、殺人鬼ファントム=エリックを庇い、抱きしめ、愛を捧げた彼女のことを、周りが黙って見過ごすはずはない。

何より、もう既に、
此処(オペラ座)には、真の主(エリック)はいないのだから。
心から愛するヒトは、いないのだから。

クリスティーヌは、
もしかすると、エリックからもらった楽譜だけを抱きしめて、
そのまま、オペラ座を飛び出したのかもしれない。

泣きながら、
夕暮れどき、地元の人でにぎわうオペラ座通りを小走りに、
そして、長時間、コトコトと汽車に揺られ、
パパと過ごした海沿いの自然に恵まれた小さな村まで、傷心で帰り、
それでも、毎日大好きな歌をうたうことによって、気持ちも安定し、エリックだけを想って、一生を幸せに過ごしたのかもしれない。

その場合、
たくさんの幸せな想い出と同じように、たくさんの悲しい想い出に溢れたこの地を、
二度と訪れることはなかっただろう。

だけど、こうも考えられると思ったんだ。

もしかすると、クリスティーヌは、
その後もずっと、死ぬまで、オペラ座の中で歌い続けていたのかもしれないと。
静かに眠るエリックの魂の傍らで、愛を捧げていたのかもしれないと。

そもそも、妻の欲と熱情と脅威に逆らえず、オペラ座を買収したジャン・クロード。
不可解な出来事が相次ぎ、更には妻まで殺され、最後には怪人ファントムまで現れ、
こんないわくつきのオペラ座、
小心者の彼のことだ、きっと次は自分が呪われるかもしれない…と恐れをなして、
きっと、あの事件後、煙を巻いたように、
どっか、遠くのほうの館か別荘だかに、さっさと一人、逃げ隠れてしまっただろう。

劇団員やスタッフたちも、
何もなかったかのように、あの場所にその後も留まることなんて、
普通は考えられないと思う。

優秀な者は、他の有力な劇団?に引き抜かれ、そうでない者も、きっとすぐに出て行ったよね。
そもそも、お金持ちのお嬢様も多かったみたいだし(笑)

で、間もなく競売にかけられることとなったこのオペラ座を、
一瞬で競り落としたのが、あの、フィリップ・ドゥ・シャンドン伯爵だったわけでございます。

彼は、超大金持ちのお坊ちゃまです。
オペラ座を買い取るだけの資金力も、とーぜん余裕であったでしょう。

何故に、彼がオペラ座を買い取ったのか?

それは、ひとえに、クリスティーヌへの愛、のためだけに、です。

彼にとって、クリスティーヌは、生まれて初めて恋をした女性です。
いわば、初恋。

美形で、知性も備わっていて、
いつだって、若い女の子たちの取り巻きにされてきたけれど、
本人、結構なプレイボーイで、今までにありとあらゆる、遊びはしてきたのだろうけど…。

彼が、初めて真剣に恋をした女性がクリスティーヌだったと思うのですね。

彼女のどこに惹かれたって?

きっと、それは、彼女の真っ白な汚れなき純粋な魂、だと思う。

心から楽しそうに、天使のような歌声を震わせるクリスティーヌと、
その健気な姿、透きとおるような魂に、彼はきっと、惹かれたのですね。

そして、それと同時に、フィリップは、
彼女の青い瞳の奥に秘められた深い悲しみみたいなものも、無意識の内に感じ取っていたのかもしれない。

最初は、彼はエリックを敵対視している。
恋のライバル、とゆーか、危険な存在として、捉えてる。

だけど、最後には気づくんだ。

エリックとクリスティーヌは、結ばれるところで結ばれていたのだと。

それは、すごく抽象的な、愛の形。
されども、海よりも深い深い"魂の愛"の結びつき。

そのとき、彼は諦念するんだ。
そのとき、ってつまり、エリック亡き後、クリスティーヌが銀橋で泣きながら歌う場面ね。

いや、諦念とゆーより、寧ろ、"深く噛み締める味"みたいなものだったのだと思うのだけど。

傷心のクリスティーヌの姿を見て、彼は、決意するんだ。
この先、どんなことが起こっても、僕が彼女を守ってやる!!!と。
彼女を決して不幸にはしない!!!と。

僕は、君を愛している。
君は、エリックしか本当の意味で愛せなくても、君が幸せであれば、それが僕の幸せ。
他に望むものは、何一つない。

誰も居なくなったオペラ座。

それでも、クリスティーヌは今日も、舞台の上で、歌い続ける。
愛する人への想いを、メロディーに乗せて。

太陽が沈むと、あの人が、今でも此処にいるような、気がするから。

独りぼっちでも、恐くない。

そして、一日おきにフィリップも、
美味しいシャンパンと新鮮な野菜、肉、パンなどをたくさんかごに入れて、
持ってきてくれる。
オシャレな話なんかしちゃって、明るく、たまには少しおどけて、
クリスティーヌを楽しませてくれる。

その二人だけの時間も、またクリスティーヌにとっては、happy timeで。

クリスティーヌは、
フィリップの優しさと大きな愛に包まれて、少しずつ傷も癒えていったのかもしれない。

そして、この先も、フィリップは生涯独身を貫き通したと思う。
もしかすると、エリックに祝福されて、
フィリップとクリスティーヌ、晴れて結婚したのかもしれないけれど。

翌年、生まれたベイビーに、エリックとか名づけちゃったり。

数年後、刑務所から出て来たキャリエールが、
まず一番に向かったのは、きっと、丘の上にあるエリックのお墓。
季節は春。

もうよぼよぼのおじいさん。
彼が花をいけたとき、向こうのほうから笑い声がするの。
見ると、こちらに向かって駆けてくる、一人の可愛らしい少年。

微笑みながら後ろをゆっくり歩いてくる一人の女性とその旦那様。

見覚えのある顔、
それは、いまや一児の母となったクリスティーヌ。
白い、ふわふわのワンピースを着て。
胸元には、エリックの母べラドーヴァの形見のネックレスが揺れていて。

「おじさん…」

少年は、キャリエールの前でふと立ち止まる。

「エリック…エリック…」

クリスティーヌの美しい声。

「君が…エリックか??」

「…ぅん。。」と言う前に、
跪き、皺だらけのでも温かい手で、彼を強く抱きしめるキャリエール。

キョトンとされるがままのエリック少年。

その傍らで、
静かに微笑みながら、二人を見守っているクリスティーヌと旦那様。

…な感じで、幕が閉じても、素敵だな。

………

いや、あは、妄想は個人の自由ですからー。

これはすべて、原作とか映画とか無視して、勝手に私が生み出したストーリーです(爆)

やっぱり、最後はハッピーエンドで終わりたいもんね。

                                                     
以上、少々妄想癖の激しい紫音の、「ファントム-エピローグ-」でございました。

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