人の情けの温かさ@雪バウ「やらずの雨」
2006年6月16日 雪組本日、雪組バウホール公演『やらずの雨』初日に行って参りました。
『なみだ橋えがお橋』(主演:月船さらら)・『くらわんか』(主演:蘭寿とむ・愛音羽麗)に続く、谷先生のバウ人情噺シリーズ第三弾。
今回は、「夢」を題材にした噺シリーズで、人の情けの温かさを描いた作品だった訳ですが、うん★前2作は、「落語」に重点が置かれていましたが、今回は、タイトル『やらずの雨』(=訪れてきた人の帰るのを引き止めるかのように降り出した雨)が示すように、徳兵衛とお初の素敵なラブシーン?もあり、今までより宝塚らしさに歩み寄ったバウ人情噺、そんな印象を受けました。
構成的には、『くらわんか』と同じく、一幕が長く、ニ幕は短く、
一幕は怒涛の展開&落語づくし、ニ幕はほっこりあり、同じリズムが繰り返されるので、初見では眠くなることはありませんでした。
★”☆”★”
徳兵衛の音月桂ちゃん。
ほぼ出ずっぱり、『くらわんか』の主役ほど、ひたすらしゃべり続けるという訳ではありませんでしたが、とにかく歌う歌う!!!ですがお流石!!初日から、物凄い安定感がありました。青天姿も似合う似合う!!〔書物ばかり読み漁っている堅物お坊ちゃま→放蕩の限りを尽くす根っからの道楽者→二枚目の好青年船頭〕 同じ人物といえども、作中でここまで七変化する(笑)徳兵衛ですが、硬軟自在に自然体で演じきっていました。芝居がひたすらに熱いさららさん、顔自体がギラギラ濃い(爆)らんとむくん(みわっち版は未見)と較べ、ナチュラルで涼しげな外見のキムちゃん!爽やかなお坊ちゃま風(かぜ)が吹いているようで、親しみやすかったというか、また、雪メンバー(カラー)自体、花みたいな強烈自己アピールや、月のお芝居好きメンバーたちの熱い演技に較べ、非常にナチュラルで、自然体で、でも、決しておとなしくもなく、舞台が良い意味でこじんまりとピリッと引き締まっているような、そんな印象を受けました。だから、変に疲れなかったし、楽しめたのかな。キムちゃん、立派に主演務めていましたよ!挨拶も大変素晴らしかったです。
お初の純矢ちとせちゃん。
娘役転向後、これが初の大役だったように思うのですが、全然違和感なく、ミリちゃん(貴咲美里)みたいな、おおらかでたおやかな美しい色気みたいなものが醸し出されていて、とってもしっとりと綺麗でしたね。途中までは、徳兵衛を尻でひくような、姉御肌的なキツサもあるお初なのですが、変にキツクなりすぎるのではなく、そこにもたっぷりの愛情が感じられて、徳兵衛との♪やらずの雨♪では、大人な中にも少女のような恥じらい、可愛さが垣間見えて、とっても素敵なラヴシーンになっていたと思います。お歌も、少々微妙に下がり気味な箇所もありましたが、美しい声色で、初のヒロイン、大健闘だったのではないでしょうか?キムちゃんとの並びも、非常にお似合いでございました。
一八の彩那音ちゃん。
出番少ない!!!(泣) 出だしから、いつまで経っても登場してこないので、もしや、バイト(通行人)でもしてるんじゃないか、と、変に後ろとか探したりしてしまいましたよ^−^; 可愛かったし、決めポーズ?も面白く決まってたし、ニ幕は短いソロ曲もあったのですが、作品にスパイスを与えるインパクト的存在?徳兵衛の友人?という存在にしか意味がなく(悲)、というより、「二番手」といえるほどの重要な役どころでもなく、ひろみちゃん目当てで行った身としては、正直不完全燃焼。本人が、キラキラと楽しそうに演じているのが、せめてもの救いでした。生まれ育った月組から離れ、三兄弟から独立し、今回が雪組子としてのお披露目公演だったひろみちゃんですが、雪っ子というよりは、未だ月っ子の香りを残しつつ、それが良い具合に雪組子の中で光っていたんじゃないかな?これからどんどん垢抜けていくであろうひろみちゃんの今後が楽しみです。
甚兵衛の汝鳥 伶さん。
良い具合の重石加減で(笑)、どっしりと作品を締めてくださいましたな。汝鳥さんのおかげで、浮き足立たず、地に足の着いた舞台になったと思います。妻役お甲の灯 奈美さんも、柔らかさのある優しいお芝居で、このお二人もお似合いの夫婦でした。
あとは、私、雪組子に無知なもので、誰が誰だかさっぱり分からなかったのですが(爆)、お初の弟役さん(ぬくもり溢れる大きな存在感を感じました)と、しらみの人(←なんちゅー命名・爆)(*どうやら彩夏涼ちゃんのようです)の華やかさが印象に残ったかな。娘役では、特に愛原実花ちゃんが目立っていました。
★ ”☆”★”
と、まぁ、ざっくり感想を述べてみたわけでございますが、
アレですな…人情噺はもういいよ…
演者に罪はないし、実際、一つ一つの落語ネタ、話のテンポは面白く、笑わせてもらいましたが、そいでもって、数々の噺を巧妙に絡み合わせ、一つの作品に仕上げる構成も秀逸で、よくまとまっているとは思いましたが(説明不足のところもありましたがね)、如何せん、あんまり宝塚的ではない。。。ここは「宝塚」である以上、やはりファンとしては、乙女のハートを掴む、「夢」の世界を見たいです。今回、「夢」をテーマにしたとはいえ、あれじゃね…(←特に、「しらみ」関連の話には、かなりの不快感と嫌悪感を感じました。あんなんで笑い取ってほしくない)
落語は落語、やはり本家の方々に任すのが一番なのではないかと。
一度なら良いけれど、
それがシリーズ化して、こうして二度、三度と繰り返されることには、抵抗を感じます。
それに、江戸弁、落語術を学んだからといって、
それは、「宝塚スター」としての足しにも何にもならないと思いますし。
ただ、大変なだけじゃないかな。
どうせならまだ、谷先生のもぅ一つの顔「人殺し作家」の異名を活かす?作品のほうが、観たかったです。
それにしても、谷先生。
『JAZZYな妖精たち』といい、この人情噺シリーズといい、最近、完全に終わってますな(爆)
『武蔵野の露と消ゆとも』に代表される珠玉の名作も、『プラハの春』などの、歴史ものでありながら宝塚らしい作品も書ける方なのですから、ここいらで一度、頭を丸めて、初心に返っていただきたいです。
あ〜あ。
キムちゃんとひろみちゃんで、残虐性に満ちた、刹那な悲劇を観たかったなぁ…(超個人的シュミ)
そう!!
キムちゃんの腕の中で、血まみれの姿で微笑んで、静かに息絶えるひろみちゃん、の図が私は観たかったのよ!
でも、
この短いお稽古期間で、ここまで創り上げたキムちゃん、
そして、ひろみちゃん含む雪出演メンバーに、心から乾杯!!!
千秋楽まで、
無事に舞台を創り上げて行ってくださいね!!!
雪組子、頑張れ!!!
『なみだ橋えがお橋』(主演:月船さらら)・『くらわんか』(主演:蘭寿とむ・愛音羽麗)に続く、谷先生のバウ人情噺シリーズ第三弾。
今回は、「夢」を題材にした噺シリーズで、人の情けの温かさを描いた作品だった訳ですが、うん★前2作は、「落語」に重点が置かれていましたが、今回は、タイトル『やらずの雨』(=訪れてきた人の帰るのを引き止めるかのように降り出した雨)が示すように、徳兵衛とお初の素敵なラブシーン?もあり、今までより宝塚らしさに歩み寄ったバウ人情噺、そんな印象を受けました。
構成的には、『くらわんか』と同じく、一幕が長く、ニ幕は短く、
一幕は怒涛の展開&落語づくし、ニ幕はほっこりあり、同じリズムが繰り返されるので、初見では眠くなることはありませんでした。
★”☆”★”
徳兵衛の音月桂ちゃん。
ほぼ出ずっぱり、『くらわんか』の主役ほど、ひたすらしゃべり続けるという訳ではありませんでしたが、とにかく歌う歌う!!!ですがお流石!!初日から、物凄い安定感がありました。青天姿も似合う似合う!!〔書物ばかり読み漁っている堅物お坊ちゃま→放蕩の限りを尽くす根っからの道楽者→二枚目の好青年船頭〕 同じ人物といえども、作中でここまで七変化する(笑)徳兵衛ですが、硬軟自在に自然体で演じきっていました。芝居がひたすらに熱いさららさん、顔自体がギラギラ濃い(爆)らんとむくん(みわっち版は未見)と較べ、ナチュラルで涼しげな外見のキムちゃん!爽やかなお坊ちゃま風(かぜ)が吹いているようで、親しみやすかったというか、また、雪メンバー(カラー)自体、花みたいな強烈自己アピールや、月のお芝居好きメンバーたちの熱い演技に較べ、非常にナチュラルで、自然体で、でも、決しておとなしくもなく、舞台が良い意味でこじんまりとピリッと引き締まっているような、そんな印象を受けました。だから、変に疲れなかったし、楽しめたのかな。キムちゃん、立派に主演務めていましたよ!挨拶も大変素晴らしかったです。
お初の純矢ちとせちゃん。
娘役転向後、これが初の大役だったように思うのですが、全然違和感なく、ミリちゃん(貴咲美里)みたいな、おおらかでたおやかな美しい色気みたいなものが醸し出されていて、とってもしっとりと綺麗でしたね。途中までは、徳兵衛を尻でひくような、姉御肌的なキツサもあるお初なのですが、変にキツクなりすぎるのではなく、そこにもたっぷりの愛情が感じられて、徳兵衛との♪やらずの雨♪では、大人な中にも少女のような恥じらい、可愛さが垣間見えて、とっても素敵なラヴシーンになっていたと思います。お歌も、少々微妙に下がり気味な箇所もありましたが、美しい声色で、初のヒロイン、大健闘だったのではないでしょうか?キムちゃんとの並びも、非常にお似合いでございました。
一八の彩那音ちゃん。
出番少ない!!!(泣) 出だしから、いつまで経っても登場してこないので、もしや、バイト(通行人)でもしてるんじゃないか、と、変に後ろとか探したりしてしまいましたよ^−^; 可愛かったし、決めポーズ?も面白く決まってたし、ニ幕は短いソロ曲もあったのですが、作品にスパイスを与えるインパクト的存在?徳兵衛の友人?という存在にしか意味がなく(悲)、というより、「二番手」といえるほどの重要な役どころでもなく、ひろみちゃん目当てで行った身としては、正直不完全燃焼。本人が、キラキラと楽しそうに演じているのが、せめてもの救いでした。生まれ育った月組から離れ、三兄弟から独立し、今回が雪組子としてのお披露目公演だったひろみちゃんですが、雪っ子というよりは、未だ月っ子の香りを残しつつ、それが良い具合に雪組子の中で光っていたんじゃないかな?これからどんどん垢抜けていくであろうひろみちゃんの今後が楽しみです。
甚兵衛の汝鳥 伶さん。
良い具合の重石加減で(笑)、どっしりと作品を締めてくださいましたな。汝鳥さんのおかげで、浮き足立たず、地に足の着いた舞台になったと思います。妻役お甲の灯 奈美さんも、柔らかさのある優しいお芝居で、このお二人もお似合いの夫婦でした。
あとは、私、雪組子に無知なもので、誰が誰だかさっぱり分からなかったのですが(爆)、お初の弟役さん(ぬくもり溢れる大きな存在感を感じました)と、しらみの人(←なんちゅー命名・爆)(*どうやら彩夏涼ちゃんのようです)の華やかさが印象に残ったかな。娘役では、特に愛原実花ちゃんが目立っていました。
★ ”☆”★”
と、まぁ、ざっくり感想を述べてみたわけでございますが、
アレですな…人情噺はもういいよ…
演者に罪はないし、実際、一つ一つの落語ネタ、話のテンポは面白く、笑わせてもらいましたが、そいでもって、数々の噺を巧妙に絡み合わせ、一つの作品に仕上げる構成も秀逸で、よくまとまっているとは思いましたが(説明不足のところもありましたがね)、如何せん、あんまり宝塚的ではない。。。ここは「宝塚」である以上、やはりファンとしては、乙女のハートを掴む、「夢」の世界を見たいです。今回、「夢」をテーマにしたとはいえ、あれじゃね…(←特に、「しらみ」関連の話には、かなりの不快感と嫌悪感を感じました。あんなんで笑い取ってほしくない)
落語は落語、やはり本家の方々に任すのが一番なのではないかと。
一度なら良いけれど、
それがシリーズ化して、こうして二度、三度と繰り返されることには、抵抗を感じます。
それに、江戸弁、落語術を学んだからといって、
それは、「宝塚スター」としての足しにも何にもならないと思いますし。
ただ、大変なだけじゃないかな。
どうせならまだ、谷先生のもぅ一つの顔「人殺し作家」の異名を活かす?作品のほうが、観たかったです。
それにしても、谷先生。
『JAZZYな妖精たち』といい、この人情噺シリーズといい、最近、完全に終わってますな(爆)
『武蔵野の露と消ゆとも』に代表される珠玉の名作も、『プラハの春』などの、歴史ものでありながら宝塚らしい作品も書ける方なのですから、ここいらで一度、頭を丸めて、初心に返っていただきたいです。
あ〜あ。
キムちゃんとひろみちゃんで、残虐性に満ちた、刹那な悲劇を観たかったなぁ…(超個人的シュミ)
そう!!
キムちゃんの腕の中で、血まみれの姿で微笑んで、静かに息絶えるひろみちゃん、の図が私は観たかったのよ!
でも、
この短いお稽古期間で、ここまで創り上げたキムちゃん、
そして、ひろみちゃん含む雪出演メンバーに、心から乾杯!!!
千秋楽まで、
無事に舞台を創り上げて行ってくださいね!!!
雪組子、頑張れ!!!
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