『暁のローマ』-其の一-

まずは、主な登場人物について整理してみる。

カエサル : ¶独裁主義者。共和制推進者¶

彼は、「カエサルはカエサル」のスローガンを掲げ、
民衆派として、ローマの民衆から多大なる支持を受けていた。
しかし、実はそれこそが、”権力の象徴”であり、
彼は、言葉行動巧みに、民衆おろか愛人やその周辺も洗脳し、我が意に沿うよう仕立て上げていた。

そんな彼には、忠臣たる僕がいた。
その名も、アントニウスブルータス

アントニウス : ¶カエサルへの忠誠心+野心+α¶

政治家、軍人。
表面上は、カエサルの腹心の部下として、数々の内乱で成果を上げてはいるが、
その実は、権力の中枢を狙う腹黒く欲深い、極めて”黒”に近い野心漂う危険人物である。
   

ブルータス : ¶カエサルへの忠誠心+正義心+α¶”自由の象徴”

カエサルの愛人の息子。
現在では、カエサルの息子とする説もある。(*「我が子よ、お前もか。」)
彼は、勇敢さと正義心に溢れた若さみなぎるハンサム青年だが、
その反面、母親セルヴィリアと新妻ポルキアには敵わない優柔不断マザコン坊ちゃん。
ちなみに、愛妻ポルキアは、友人カシウスの妹君でもある。 (*姑VS嫁 対立勃発)
今はL・O・V・E・L・O・V・E新婚生活。彼女の言いなり。

カシウス : ¶カエサルへの反逆心・報復心+ブルータスへの想い¶


カラエの戦いの生き残り。
ブルータスに暗殺話を持ちかけたのは、"利用する目的"故にか、それとも、”純粋”故にか。
カエサル暗殺の首謀者でありながら、「黒く」はない。
ある意味、ダークホース?
冷静に物事・情勢を見極める「千里眼」・鋭い洞察力&臭力の持ち主。

その周辺にも、登場人物はいる。

オクタヴィアヌス : ¶ボンボンお金持ちお坊ちゃん¶


カエサル暗殺後、遺言書により後継者に指名されたオクタヴィアヌス。
飢えを知らないお坊ちゃまタイプ。本人に悪気はないが、民衆の心に気づいていない。
アントニウスに都合の良いように弄ばれる。

カルプルニア : ¶カエサル最後の妻¶

未来の予言者
カエサル暗殺を予兆させる夢を見て、彼を止めるが、無情にも悪い予感的中。

クレオパトラ7世 : ¶カエサルの愛人。エジプト女王¶


カエサルと組んで、実施上のエジプト単独統治。(=カエサルの傀儡
世界を自分のものにしたいという欲望。(=女の媚
彼との間に、息子カエサリオンを生むが、遺言状に愛息の名前は書いていなかった。
後に、アントニウスと手を組む。

ポルキア : ¶ブルータスの新妻。カシウスの妹。¶

甘ったるい風情が愛らしい女。聡明さも持ち合わせている。
彼女もまた、魔術にかけられた一人。
「破壊」に向けて、一躍。(世界の破滅) そして、”核” 保有者。

セルヴィーリア : ¶カエサルの愛人。ブルータスの母親。¶


カエサルの”権力”と”金”に酔いしれている娼婦。
だが、息子も溺愛。
”愛”より”金”。”愛”とは利用するためだけのものである。
ポルキアのことを認めてはいない。

…………

主な登場人物については、大体こんなところであろうか。
次は、民について。
そして、この作品の持つ傀儡性・魔術性などについて、考察していこうと思う。

どうやら、一筋縄では行かないようだ。

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