やはり、いずれ宝塚史上に燦然とその名を輝かせることになるであろう、
宙組を支えた黄金トップコンビ(←というのか?)
タカコさんとお花様のサヨナラ公演ですから、やっぱりもう一回ぐらいは
生で見納めしておかないとなー、と思って、
本日、当日券で行って参りました。

そして、失望しました。

いや、演じ手に、ではないですよ!!
脚本というか、作品の拙さ、に対してですよ。

初日開けてすぐに観たときは、
小池センセーの稀有たる才能、その素晴らしい演出力にごまかされて(圧倒されて)、
強引に持って行かれましたわ。

つまり、あの時は、純粋に感動させられたのですが(汗)
甘かったわ。

あー、私があの時感動したのは、「メッセージ性云々」とかではなくて、
宙組ならではの重厚な群集コーラスの迫力であったり、
いつもより若手にまで、存在意義のある「役」が与えられていたことであったり、
「サヨナラ」が齎す有無を言わせぬ独特の感無量であったり…

そーゆー部分に対して、だったのね。(今更ながら)

完全にダマされていました、私。
もっと、「お話」的に、深いメッセージが込められている作品だと思っていたよ。

ナンだ、めっちゃ浅いじゃん。
…ってか、「何」が伝えたいのか、良く分からない。

浅い。
ぬるい。
甘い。

その「素晴らしい」演出手腕に依って、脚本技術の「拙さ」をごまかしている。
そーゆー印象を受けたのだよ、正直。

「薔薇の封印」の時も、
演出の素晴らしさに騙されて、お芝居が終わった後、

『で、結局何???』

みたいな感じで、
釈然としない感バリバリだったんだけど、傾向的には今回もそれと全く同じ。
私の中では…

                                                                                     
結局、「何」が伝えたいのか、良く分からない。

「主題」「何」であるのか、不透明なまま見えてこない。


                                                                                      
その素晴らしい演出手腕にごまかされて、
「力技」に思わず飲み込まれてしまいそうになるけれど、
冷静になって観てみると、その「ぬるい」感覚が、どーにもこーにも腹立たしくなる。
もやもやとして、どーにもこーにも歯がゆくなる。

それやったら、

                                                                                     
キムシンオペラネタや、

谷センセー政治色メッセージの強い作品のほうが、

私、よっぽど好きだよ。

                                                                                     
それは、今に始まったことではないけれど…

たとえ役が少なくても、単純で分かり易くても、
とっても、「タカラヅカ」的な、絵空事風味な世界を創ることのできる、
キムシンや、

ある種、
「タカラヅカ」にはそぐわない、政治色の強いメッセージ。
されど、変に「まろやか」にするのではなく、直球でテーマを持ち出してくる谷先生。

それぞれ、美点も欠点もあれど、
でも、やりたいこと、伝えたいことがはっきりしている御ニ方の作品のほうが、
私は好き。

だって、伝わるんだもん。
「伝えたいこと」が。 「やりたいこと」が。

ついでに言うなら、

植田歌舞伎も、それはそれで、「ヅカ」らしい型芝居として、ある種の魅力もあり、
酒井京劇も、視覚的な美しさ、場面場面の鮮やかな描写という意味での魅力もあり、
太田作品も、少し古めかしく地味ながらも、文学的な奥深さが、また魅力でもあり、

私は、決して嫌いではありません。
尤も、その作品によって、思い切り印象は左右されますが…(爆)

私は、小池センセーのその演出手腕は高く評価しています。
っちゅーか、尊敬しています。

だけど…はっきりいって、脚本能力は…(モニョモニョ)だよね???

一体、彼は何を伝えたかったのだ??
全然、分からない。

その致命的な小池作品の「ぬるさ」が、
二回目にして最後の観劇で、完全に露呈されてしまったの、私の中で。

なので、すっごく冷めた目で観てしまっていた。

いや、熱演している宙組生には申し訳ないけれど…
群集コーラスの迫力は、やっぱり素晴らしかったのだけれど…

                                                                                     
『で、結局何???』        …みたいな。

                                                                                     
小池センセーには、「演出」のみに専念していただきたいと、切に願ふ。

                                                                                     
(…ってか、別にタカラヅカ出て行ってくれても良いですよ?)
(「エリザ」の時だけ、宜しくお願い致します。)

                                                                                      
あ、私にとっては、ラストとなるタカハナゴールデン主演コンビですが、
相変わらず、素晴らしかったです。(棒読み口調で)
この二人の場合、最初から完成度が高いので、前観劇から1ヶ月以上経ったとはいっても、
目に見えて変化があったとか、そーゆーのはあまりなく、
でも、まぁ、そろそろTHE LAST DAYが近づいて来ただけあって、
客席の雰囲気(拍手の大きさとか)も、舞台の湿度も、徐々に高まっている感じでしたな。

最後まで、無事にやり遂げていただきたいです。

…サヨナラショーとか、どうなるんでしょうね…??

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