昨日の日記の続き。

拝啓 闇の帝王 マリコトート閣下様。

こんなに背中が、神経が、ゾクゾクとしたのは、生まれて初めてでした。
まさに「闇の帝王」。
血の涙も凍るぐらいに鋭い爪・情熱的なエロス・甘い愛の誘惑(と書いてリンブと読んで下さい)。
そこに在るのは、まさしく「死の存在」。
血と涙も凍るぐらいに白い肌・人間の肉体美・一種のエクスタシー。
甦り。
そう甦り。
往年の姿のまま、生きたまま、過去から現代に甦りし魂の亡霊。
そのオーラ。
宝塚が誇る元星組トップスター麻路さきの真髄まで円熟したその深み、その色気。
こんなにも、「死の存在」に強く心惹かれるとは…魅入られるとは…
我の魂と感情を大きく熱く揺すぶられるとは…
出て来た瞬間、大きくウネリを持って客席中に広がる、その静なるどよめき。
それをも、威圧してしまう巨大な闇の凄まじいスターオーラ。
表層のみならず、心臓、寧ろ、この魂まで、その鋭い刃で瞬時にして射抜かれたような、そんなハッとする一種の快感と動揺、胸の鼓動の高まり、この高揚感。
この捕えきれない興奮の泉に導かれし、黄泉の世界。

途中から、涙が止まらなかった。
もう、自分が何で泣いているのか分からなくなるほどに、
頭は混沌として、心は掻き乱されていて、危ういほどに統一できない精神状態が、
余計に私を狂わせて、もう、何が何だか分からなくなって、
どんどんどんどん舞台に引き込まれていって、もう、何もかにも制御できなくて、
最後には、もはや魂ごと、何処かに奪い去られていた。

色んな意味で、たまらなかったんだ。
私にとって、『エリザ』デフォルメは、この星組版と月組版で、両方とも大好きで、
どちらにも、単純に「好き」だけでは終わらせられない、相当な思い入れがあって…。

今回、エリザガラコンが催されることを知った時、
私は狂喜乱舞し、「何が何でも、この回を観たい。」と思った。
この回じゃなきゃ、ダメなの。
他の回には、ほとんど興味はないの。
どうしても、この回じゃなきゃ、ダメなの。

トート:麻路さき エリザベート:白城あやか フランツ:稔幸 ルドルフ:絵麻緒ゆう 他。

再演時の星エリザ、純正星メンバーに最も近い、このバージョン。
私の理想に最も近付く、その瞬間。

そこには、夢で見たまんまの世界が広がっていたよ。

円熟した深い色気とその包容力、大きな存在感のマリコさん。
美しく、気品漂い、大輪の華のように輝くあやかさん。
端正でノーブル、艶やかな色気を持つ貴公子ノルさん。
妥協しない真摯な姿勢、甘い香りに包まれたようなブンちゃん。
そして、子ルドグンちゃんも、リヒテンシュタインそんちゃんも、
ちあきしんさんも、星組じゃないけど、ルキーニ樹里ちゃんも、…みんなみんな。
ほんとにそのまんま。

何だかね、
不思議なデジャ・ビュ(規視感)を覚えたよ。

何だろね、
’96再演時、その往年の姿のまま、こうして過去から現代へ甦ってきたような…。
勿論皆さん、それぞれの人生経験を経て、さらに人間的に深みを増しておられるんだと思うよ。
でも、私には、
当時の星エリザをリアルタイムで体感したことのない私には、
映像を通して観ていた世界が、今こうして、そのまんま目の前に広がっていることが、
夢のようで、あまりにも現実的ではなくて、本当に不思議な錯覚。
にも似た、まさに「甦り」という表現がぴったりあてはまる、そんな感傷で胸はいっぱいになって、
何だろう、うまく言えないけれど、
何だか二次元・三次元的空間から舞台を観ているような、そんな感覚だったよ。

でも…
でも、それだけじゃ済まされなかったの。
思いもかけないところで、こんなにも現実に打ちのめされるなんて…。

会場へ行くまでは、正直、忘れていたの。
そう、これが『エリザベート』だっていうことにね。
「星エリザ」が観られるんだ!
マリコさんやあやかさんたちが観られるんだ!って喜びのほうに気が行っちゃって、
ついうっかり、忘れてた。

……これが『エリザベート』であるということに。

舞台が始まって、ふいに気付いた。
…どうしよう、震えが止まらない!!緊張が止まらない!!!!

私、月エリザを思い出しちゃったのね。
一年前のちょうど今頃、私は、ムラへちょくちょく通っていた。
月エリザを観るために…。
主に、さららんやサエちゃんを観るために…。入り出待ちもよくしたなぁ。
…大好きだった月エリザ。
私の中で、たくさんの想い出と思い入れがある、月エリザ。

それを、思い出しちゃったんだ!!

…とは言っても、マリコさん→サエちゃんを連想してしまった訳ではない。
何故なら、マリコさんトートありきのサエちゃんトートだったと、私は思っているから。
どちらがどう、とかではなく、どちらのトートにも心から魅入られているから。

つまり…
私は、思い出しちゃったんだ!!!…エルマーさららんのことを-_-;

そしたら、もうダメだった。
もうすぐ出て来る、出て来る!いやぁっ!!出て来ないで〜っ!!!!!(心の叫び)
エルマーby成瀬さんが出て来た瞬間、私は螺旋が外れたように壊れた。
あの、あれほどまでに涙腺が固い私の瞳から、じんわりと熱いものが込み上げて来たの。
もうダメだった。
革命家たちが出て来る度、涙が溢れるのよ。
今でも覚えている。熱くて熱いさららエルマーのその一言一句、細かい仕草まで。

ごめんね。
成瀬さんが悪い訳ではないのよ。
でも、あまりにタイプが違うもので、
その分余計に、さららエルマーが恋しくて、愛しくて、
一年前の、あのエリザに通っていた日々のことを思い出してしまってさ。

また、シュテファンが速水リキ氏だったことが、またいけない。
思い出すじゃんよ〜!!さららさんのことを。
リキちゃんといえば、82期でさららさんと同期、T.A.Pのメンバーでもあったから。

なので、
比較的、昔を懐かしんで?!
楽しみながら舞台をご覧になられている方々が多い客席の中で(Myイメージ)、
私一人、完全に孤立した世界に引きこもってしまっているような、周りから観れば、
かなり怪しい観客になっていたことでしょう……。(沈)
だって、革命家が出て来る度、
急に泣き出しては、ハンカチで涙をぬぐったりしていたからな(爆);

最後のほうは、
それと、マリコ様トート閣下やあやかシシーに感情移入しているのと、純粋な舞台への感動とで、完全に壊れて、
もう、自分が何で泣いているのか分からなくなるほどに、
頭は混沌として、心は掻き乱されていて、危ういほどに統一できない精神状態が、
余計に私を狂わせて、もう、何が何だか分からなくなって、
どんどんどんどん闇の世界に引き摺り込まれていって、もう、何もかも制御できなくて、
もう、かなりヤバかったです、私。

そして、昇天シーンの真っ白な美しさに、心から救われるような気がしたよ。

いや、あまりにも、美しかったからさ。
マリコさんトートとあやかさんエリザベート、二人の魂が結ばれあったその瞬間が…。
なんて、美しいんだ。

あやかエリザベート、素晴らしかったよ。
何なんだ?!あの存在感!大輪の華のように舞台に咲くあのオーラは…
これぞ、トップ娘役って感じで、
今や主婦、子供の母親だとは信じられないほど、本当に往年の姿のままで、
何よりもあの情感!!
すごく感情移入したり、特に鏡の間、有無を言わせぬその美しさに、思わず息を飲みそうになりました。

そして、ノルフランツ。
あの艶やかなぬめりというか、声が良いなぁ。
端正で、上品な気品で、人がプリンスノルさんと呼ぶのも納得の貴公子でした。
最後まで髭なしだったけれど、それでもしっかりとその演技で表現できているのが流石だなと。
拝見できて、良かったです。

ブンルドルフ。
わあ!甘ぁ〜い!!!甘い香りが漂う真っ白な王子様といった感じでした。
でも、妥協が一切ないというか、その貫き通す姿勢、
真摯なところがとても伝わってきて、ルドルフに…というより、絵麻緒さんという方自身に非常に好感を持ちました。現役時代の生の舞台、拝見したかったです。

グンちゃん子ルド。
…ごめんなさい。私、ここでもさらら子ルドを感じてしまって、「グンちゃん」の子ルドとして観ていませんでした。
終演後のトークのところは、下級生といった感じが可愛くて、印象に残りましたが。
というか、私、正直この方があまり得意ではない。(優里ちゃんLOVERなので^-^;)

こんな感じで、
あまりに長くなりすぎた、エリザガラコン感想。。。
本当は、マリコさんの入りも拝見したいなと思っていたのですが、
一足違いで間に合わなかったことだけが唯一の心残り…でしたが、でも、こうして無事、
観ることができて良かった!!!
正直、料金高いなぁ…と思ったりもしていたのですが、何てことない!!
それ以上の価値のある、素晴らしいコンサートだったように、今となったら思います。
また、このような機会のあることを祈りつつ…

その時は、マリコさんとサエちゃんのトート共演も観たいなぁ。

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