唐突だが、
私は中学生の頃、所謂ハードヴィジュアル系バンドにハマッていた。
とはいっても、
自分がコスプレをする訳でもなく(笑)、
熱狂的なファンになる訳でもなく(笑)、
純粋にその音楽性に魅入られてたり(今でも)していた程度なのだが。
その回り逢いは単純。
ロリータをしていた当時の友人に、感化されたのだな。
友人に連れられて、小さいライブハウスとかにも足を踏み入れたり…
あの熱狂的なファンの渦、凄まじいドラムやギターの音、派手なパフォーマンス。
それまで至って平凡な(でもある意味特殊な)人生を送っていた私には、
初めて見る世界、その全てが新鮮で、とても魅力的に感じられた。
そう、何故だか最初から自然にあの独特の世界観が受け容れられたのよ…戸惑いも偏見もなく>初めて宝塚に触れた時も、あの舞台化粧に違和感は全くなかった(笑)

ハマッた当時(’97頃)はまだ、
Dir en grayもPierrotも Psycho le CemuもPlastic Treeもインディーズ。
ちょうど、MALICE MIZERがプロデビューしたてで人気を博していた時期だったと思う。(記憶は曖昧)

そんな中、私はRaphaelを愛でていた。
インディーズデビュー当時から友人と一緒に応援していたバンド。
その音楽の「純粋性」、「純粋」故の痛み・辛さ。
リーダー華月の生み出す詞は、美しいほど痛々しくて、本当に純粋で、禍々しくて美しくて、華月だけじゃない、
クラシック調の独特の歌い方、「純粋な声」を持つボーカルYUKI、
儚さが美しいベースYUKITO、がっちりとした感じのドラムHIRO
メンバーそれぞれが「個性」を持っていて、
しっかりとした「自分たちだけの世界の色」があって、
その完璧なまでに創り出された一種の虚構世界、でも、痛み=純粋さはリアルで、
初めて生でライブを体感したとき(最初で最後になってしまったが)は、感動して涙が溢れた。
まさに、名前の通りRaphael=天使そのもの。
真っ白(純粋)すぎて、逆にリアルに痛々しさや禍々しさが伝わってきたりしたのね。
触れてはいけない美しさを体感してしまったような…何ともいえない感覚だったの、本当に。
私は、そんな彼らに溺れ、彼らの音楽の虜になってしまった。
プロデビューしてからは、
プロデューサーが替わったこともあって(一番大きな要因)、少し妥協というか、
以前ほど突き抜けた部分がなくなって、多少マイルドになったというか、
音楽世界的に、私が「愛でていた」部分は薄まってしまったけど、
それでも、言葉(詞)の端々に、言葉だけじゃない、
たとえば、ジャケットであったり、世界観であったり、Raphael Worldはずっとそのままで、
既に友人と喧嘩別れし、
そもそも、一人でライブとか行けるような人間ではなかった私は、
遠くから見守ることしかできなかったけど、それからもずっと応援し続けていた。
結果的には、彼らも決して幸福とはいえない結末を辿った訳だけれども。
ギター&ボーカル華月の死。
それは、私にとっても大きな衝撃であった。

他にも、X JAPANのhide、MALICE MIZERのkami。

この世界を知って、
たくさんのバンドと回り逢い、たくさんの「独特の音楽世界観」と回り逢い、たくさんの宝物も得たけれど、それと同時に、
「生と死」について、リアルな「生と死」について、深く考え、感じられるようになったのも、またこの世界と回り逢ったからだと思う。
それは、良いとか悪いとかじゃなくて、そんな単純なことでは決してなくて、
もっと深くて、深くて、言葉なんかじゃ説明できないもの。
まだ、本当の意味での「それ」は、私は分かっていないのかもしれないけれど、
いや、きっと分かっていないのだろうけど、
それでも、彼らから教えてもらったことは、言葉じゃ表現できないほど、たくさんたくさんあると思う。
まだ、それを自分では感じていなかったと、してもね。

あれ以来、
私の中では、ハードヴィジュアル系世界の時間が止まったままで、
Raphaelと並び、大好きだったMALICE MIZER(中世ヨーロッパ風音楽世界観が好きだった。Rapaelほど深い意味で愛していた訳でない)。そこからGacktが脱退して以来、その世界からは、完全に足が遠ざかってしまったけれど(言い換えれば今でも想い出に縋り付いている私)、
それでも、ひとときでもあの世界に浸れたこと、
そして、彼らに回り逢えたことに、今、心から幸せを感じている。

それから数年後、
私は、ふとしたきっかけで宝塚歌劇と回り逢い、
今こうして、舞台に夢を見たり、想いを馳せていたりするわけだが、
この回り逢いもまた、この先の私の人生に於いて、大きなものとなるのだろう。
きっと....ね。

全ての回り逢いは、神様のお導き。
全ての回り逢いは、私の運命。
だからこそ、その全ての回り逢いを大切にしたいと思う今日この頃である。

コメント

るなこ
るなこ
2006年4月4日15:40

はじめまして、るなこと申します。
紫音さんの日記読ませてもらってたら、Gackt時代のマリスがお好きとの事、おおっ!私も一緒です。
今でもたまにGackt在籍時代の「merveilles」のビデオとか見て喜んでます。
で、なんか嬉しくなっておじゃましちゃいました。
私は紫音さんよりかなり古い人間で(笑)マリス以降はヴィジュ系から遠ざかってしまったので、Raphaelの事はメジャー後しか知らないのですが、「花咲く命ある限り」とかすごく好きでした。
華月くんの事は、ちょうど「HOT WAVE」のゲストで楽しそうに話しているのを見た矢先に知ったので、あの時は私もショックでしたね…。
それでは宝塚のお話はもちろん、たまには音楽の話も聞かせて下さいね。←おねだり?!(すいません 笑)
あ、ブクマもさせていただきました。
これからも日記楽しみに読ませていただきます。
よろしくお願いたします(お辞儀っ☆)

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